157日目:PEACE SHADOW PROJECT
ニコでーす。今まさにカンヌがアツいですね！今日は「PEACE SHADOW PROJECT」のウェブサイトを観察したいと思います。
このプロジェクト、今年のカンヌ広告祭でデザイン部門シルバー、サイバーとアウトドア部門でブロンズを受賞したんです。すごいっ！
皆さんは原爆投下によって壁に焼き付けられた人の影をご存知ですか？このサイトは自分の顔や姿をウェブカメラで撮影してオリジナルの影を作る事ができます。原爆が投下された時に起こった現象の追体験ができるんですねー。今回は演出部分を中心に観察してみたいと思いまーす。
サイトに入るとまず最初に、原爆で焼き付けられた影の写真や投下の瞬間の映像が流れます。この時点でぐわっと、このサイトの世界観に包まれます。一気にシリアスな雰囲気に…。影を作る行程に入る前に、ユーザーにサイトの世界観を浸透させて、どういう気持ちで影を作ってほしいか心の準備をさせてあげているのかなと思いました。今回一番ニコが「ぐっときた」ポイントは、自分の写真が影に焼き付けられる瞬間です。焼き付けられる数秒前、若干写真が動くんですよね。この演出のおかげで、まるで生きている人間が影に焼き付けられる生々しい感覚を覚えました。ちょっとゾッとしちゃいます。自分の画像が影になる事で、原爆投下で起きた出来事を、自分事化しているんですね。
原爆、核兵器などの問題はシリアスで、普段目を背けがちですが、影を作った後は「問題についてきちんと目を向けてみよう」と自然と思えるようになっているから驚きです。人の心を変えさせるサイトってすごいなー。
このサイト、演出、コピー、インタフェース、デザイン、音楽、いろんな視点で観察してみるともっとたくさんの「ぐっときた」ポイントがありそうです。個人的に観察を続けたいと思います。
