182日目:The Wilderness Downtown

http://thewildernessdowntown.com/
The Wilderness Downtown

こんにちは、 2代目イチコでーす。


今日は「The Wilderness Downtown」を観察します!

このサイトは、2011年のカンヌ国際広告祭のサイバー部門でグランプリを受賞しています。
「Arcade Fire」というバンドのミュージックビデオとして作られた作品で、いわゆる「インタラクティブミュージックビデオ」というやつです。

Google Chromeでサイトへアクセスし、自分の生まれ育った場所を入力します。
(今回は東京タワーの住所を入れてみました)

「PLAY FILM」をクリックすると、複数のウインドウが立ち上がるとともに音楽がスタートします。



ひとつのウインドウではフード姿の走る人物が登場し、別のウインドウではGoogle Mapの航空映像とストリートビューが映し出されます。
そしてよくよく見ると、この航空映像は先ほど入力した東京タワーへ向かっている事が分かります。
フード姿の人物が、目的の場所へ向かっているのですね。


辿り着きました。

すると、キーボードとマウスを使って書き込む画面が出てきます。

ここに、幼い頃の自分へのメッセージを書き込みます。
(東京タワーにゆかりがないので適当に書いちゃいました)

その言葉達を鳥が運び、東京タワーの周りが木で埋め尽くされます。

この一連の流れが、音楽に合わせて進んでいきます。


複数のウインドウを使った見せ方や、HTML5Google Mapとストリートビューの利用はもちろん凄くて見ごたえがありますが、注目点はなんといっても「自分ごと化する」というところなのではと思います。

つまりこれ、フード姿の人物は「自分」で、この作品は「自分」と「生まれ育った場所」の物語を作り出す事のできるミュージックビデオなのですね。

ただミュージックビデオを見るだけではなく、自分の知っているコトやモノが登場する事でよりいっそう興味をを喚起され、曲のもつ意味合いに自然と巻き込まれます。
また、作品のストーリーのドラマチック性も感情を揺さぶるポイントとして良い効果を生んでいると思いました。

曲・ストーリー・表現方法の見事なコラボレーションと、それぞれの技術レベルの高さ。なるほどグランプリを獲っちゃう訳ですね。。

以前に、同じインタラクティブミュージックビデオで同部門ゴールドを受賞している「SOUR/映し鏡」で衝撃を受けたイチコですが、曲・ストーリー・表現方法の親和性という点でグランプリにやや及ばず、だったのかなと思います。
個人的には大好きです。初見の衝撃が忘れられない。

また、SONYの「WALKMAN RECORDSスペシャルサイトではオリジナルのCDジャケットを作成するというコンテンツで「自分ごと化」させていました。
同じ音楽のジャンルでも、インタラクティブな表現の仕方は様々です。今度もっともっと幅広くなっていくのだと思うと、わくわくします!


自分の興味のあるサイトから順に見ていくのではなく、受賞作品などから辿っていく事も非常に勉強になると感じたイチコでした。
(ちなみに音楽は邦楽ロックが好きです)


では、また〜